設計の進め方
設計の進め方
建築は、図面を描くことだけでは終わりません。
課題を整理し、関係者の想いを汲み取り、将来の運用まで見据えて、最適な答えへ導いていく。
私たちは、完成した建物だけでなく、そこに至るまでのプロセスそのものに責任を持ちます。
「誰のための建築か」を問い続けながら、本質から設計する。そこが、公共設計の仕事の出発点です。
課題を整理し、最適な整備手法を導くための6つのステップ
新築、増築、改修、建替え。 施設整備に必要なのは、最初から答えを決めて進めることではなく、 条件を整理しながら、正しい順序で判断していくことです。
ヒアリング
まず、何を建てるかではなく、何に困っているかを伺います。
施設整備では、最初から「新築したい」「増築したい」というご相談になることがあります。 しかし本当に大切なのは、その背景にある運営上の課題、現場の不便、将来への不安を丁寧に整理することです。
私たちは、建物の要望だけでなく、組織の方針、利用者への配慮、職員の動き、将来構想まで含めて伺い、 計画の土台をつくります。
- 現状の不便・運営課題の整理
- 将来構想と整備目的の確認
- 新築・改修・増築の方向性の見極め
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現状分析
敷地・法規・動線・運用を読み解き、見えていない課題を可視化します。
現地の条件、建物の使われ方、法的な制約、設備更新の必要性。 施設整備では、表面的な要望だけでなく、目に見えない条件を読み解くことが重要です。
とくに医療・福祉施設では、動線や安全性、既存建物との関係が計画の質を大きく左右します。 私たちは、課題を感覚ではなく構造として整理し、設計の判断材料に変えていきます。
- 敷地条件・法規条件の確認
- 運営動線・利用動線の把握
- 既存施設の活用可能性の検証

構想・基本計画
整理した条件をもとに、計画の骨格をつくります。
この段階では、整備の全体像を定めます。 どの機能をどう配置するか、どこを優先するか、将来の拡張や更新をどう見込むか。 建築の方向性を、言葉と図で共有できる状態にしていきます。
ここで重要なのは、ただプランを並べることではなく、 お施主様にとって判断しやすい形で選択肢を整えることです。
- 整備方針と優先順位の設定
- 新築・改修・段階整備の比較
- 将来計画を見据えた全体構想
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基本設計
建物の配置、動線、空間構成を具体化します。
基本設計では、建築の骨格が見えてきます。 外観の印象だけでなく、内部の動線、各部門の関係性、使いやすさ、安全性まで含めて形にしていきます。
公共設計では、機能を単純に並べるのではなく、 施設の運営と人の動きを前提に空間を組み立てることを重視しています。
- ゾーニングと部門配置
- 職員・利用者・搬送などの動線計画
- 日常運用と非常時対応の両立
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実施設計
施工できる精度まで落とし込み、品質を支える図面にします。
実施設計では、材料、納まり、設備、構造との整合をとりながら、 建物を現実に施工できる状態まで図面化します。
医療・福祉・教育施設のように運用条件が複雑な建築では、 この段階の精度が、完成後の使いやすさや施工中のトラブル回避に直結します。
- 構造・設備・意匠の整合
- 施工段階を見据えた納まり検討
- 将来更新も見据えた設計判断

工事監理
設計意図が現場で正しく実現されるよう、完成まで伴走します。
図面を描いて終わりではありません。 工事が始まると、現場では多くの判断が必要になります。 設計意図を正確に伝え、施工者と対話しながら、品質と整合性を保っていくことが工事監理の役割です。
とくに稼働中施設の改修や、医療・福祉施設のように高度な機能を持つ案件では、 現場段階での丁寧な確認が建築の価値を大きく左右します。
- 設計意図の共有と品質確認
- 現場判断への対応
- 完成後の運用を見据えた調整
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私たちが設計しているのは、
建物だけではありません。
現場の運営、利用者の体験、働く人の動き、そして将来の変化。 公共設計は、それらを含めて建築を考えます。 だからこそ、設計は一足飛びには進めません。 順序立てて整理し、判断し、形にしていく。その積み重ねが、長く使われる建築につながると考えています。