2020年06月05日
全国初の3事業複合施設「聖隷こども園こうのとり富丘」
ー保育・療育・医療をつなぐ全国初の複合施設
複合施設の計画では、
「機能を詰め込む」だけでは成立しません。
保育・療育・医療など異なる機能をどう整理し、
安全性と運営性を両立させるかが、計画の成否を分けます。
今回ご紹介する「聖隷こども園こうのとり富丘」は、
その課題に正面から向き合い、形にしたプロジェクトです。
「聖隷こども園こうのとり富丘」新築工事の
竣工写真が完成しましたのでご紹介いたします。
本施設は、社会福祉法人 聖隷福祉事業団様による
幼保連携型認定こども園を中心とした複合施設です。
施設は以下の3事業で構成されています。
・保育・教育・子育て支援を担う
「幼保連携型認定こども園」
・発達支援を行う
「児童発達支援事業」
・在宅医療を支える
「訪問看護ステーション」
これらを一体的に整備し、
医療的ケアが必要なお子様の受け入れを可能とした点が、本計画の最大の特長です。
3事業を同一建物内で連携させた事例は全国的にも珍しく、
先進的な施設モデルとして位置づけられます。.jpg)
医療的ケア児を受け入れるための設計
医療的ケアが必要なお子様を受け入れるためには、
安全性と運営のしやすさの両立が欠かせません。
例えば、
- 医療行為が行われる場面での安全確保
- 保育空間との距離感の調整
- スタッフが迅速に対応できる配置
など、
細やかな配慮が必要になります。
本計画では、
「医療が近くにある安心」と
「子どもがのびのび過ごせる環境」
この両方を成立させることを目指しました。
子どもにとってわかりやすい、やさしい空間
子どもたちにとって、
環境のわかりやすさは安心感につながります。
そのため、
- シンプルで迷いにくい動線
- 視覚的に理解しやすい空間構成
- 明るさや素材によるやわらかな印象
を大切に設計しました。
また、遊戯室や絵本コーナーなど、
子どもが自然と集まる場所は、
安心して過ごせる居場所として丁寧に計画しています。
玄関:安心して迎え入れる落ち着いた入口空間
遊戯室:子どもたちが自由に過ごせる広がりのある空間

スタッフと運営を支える動線とゾーニング
複数の機能がある施設では、
動線の整理がとても重要になります。
本施設では、
- 利用者とスタッフ双方にとってわかりやすい動線
- 機能ごとに干渉しないゾーニング
- 必要な場面でスムーズに連携できる配置
を意識し、
日常運営が無理なく続く計画としました。
建築は完成して終わりではなく、
使い続けられることが何より大切です。


スヌーズレン室:感覚をやさしく整えるための環境
将来の変化にも対応できる柔軟な設計
子どもを取り巻く環境や制度は、
これからも変化していきます。
そのため本計画では、
- 空間の使い方を変えられる余白
- 設備や機能の拡張性
- 運営方法の変化への対応力
を持たせ、
長く使い続けられる施設となるよう設計しています。
子どもたちが安心して過ごせる場所は、
「機能」だけではつくれません。
- 医療の安心
- 生活のやさしさ
- スタッフの働きやすさ
- ご家族への配慮
これらを丁寧に重ねることで、
はじめて“選ばれる施設”になります。
建築は、その土台をつくる役割を担っています。
施設整備を考える中で、
「どこまで医療機能を持たせるべきか」
「複合施設としてどう整理すればよいか」
迷われることも多いかと思います。
まだ具体的でなくても大丈夫です。
構想段階から一緒に整理していくことも可能ですので、
お気軽にご相談ください。