2024年10月24日
三ケ根クリニック竣工
ー30mキャノピーが導く視認性とデザイン
愛知県額田郡幸田町の幹線道路沿いに、
三ケ根クリニックが完成しました。
一見すると視認性の良い立地ですが、
前面には薬局、背面には工場があり、
建物の存在が埋もれてしまう課題がありました。
そこで私たちは、
「どう見せるか」ではなく、
「どう伝わるか」から考えました。
建物の配置と形そのものに、
役割を持たせています。


視認性を高める30mキャノピー
本計画の象徴となるのが、
全長30mのキャノピーです。
建物本体はあえて道路から少し奥に配置し、
その手前にキャノピーを伸ばしました。
遠くからでも自然と目に入り、
「ここにある」とやさしく伝えてくれる存在です。
看板のように主張するのではなく、
建築そのものが道しるべになるように。
そんな思いを込めています。

コンクリート打放しの品質
外観は、コンクリート打放しで統一しました。
無駄をそぎ落とした、
静かで凛とした表情です。
この仕上げは、
ほんの少しの精度の差が大きく現れます。
現場では、
監督の丁寧な管理と職人の高い技術によって、
補修に頼らない、
美しい状態をそのまま実現することができました。
素材の持つ力を、
素直に感じていただける建物です。
3つのブロック構成
建物は、
平屋部分・2階建て部分・キャノピーの
3つの要素で構成されています。
一見するとシンプルな組み合わせですが、
高さや大きさ、位置関係のわずかな違いが
全体の印象を大きく左右します。
模型を使いながら、
そのバランスを何度も検証しました。
整えすぎず、
しかし乱れない。
そのちょうどよい関係性を大切にしています。


シンプルで長く使えるデザイン
デザインは、
施主である先生のご要望をもとに、
ミッドセンチュリーの要素を取り入れました。
コンクリート、塗り壁、ガラス。
それぞれの素材を面として整え、
落ち着いた印象にまとめています。
開口部は必要なところに絞り、
全体のバランスを大切にしました。
その結果、
見た目の美しさだけでなく、
- 維持管理のしやすさ
- 耐久性
といった面でも、
長く安心して使える建物となっています。


設計は、対話の積み重ねから生まれる
今回の計画は、
先生からの一つのご相談から始まりました。
建築への理解が深い施主との打合せは、
とても密度の高い時間でした。
考えを共有し、
少しずつかたちにしていく。
その積み重ねが、
建物の完成度につながっています。
設計とは、
図面を描くことだけではなく、
人と人との対話の中で育っていくものだと感じています。
クリニックの設計では、
見つけやすさと印象、
そして使いやすさのバランスが大切です。
今回の計画では、
- 建物自体で存在を伝えること
- 長く使い続けられる形にすること
- 無理のない運用につながること
これらを丁寧に整えていきました。
訪れる方にとって、
少しでも安心できる入口となるように。
そして、
地域にやさしく根づいていく建物となるように。
その思いを込めて設計しています。
クリニック計画をご検討の際は、
ぜひお気軽にご相談ください。
はじめの一歩から、
丁寧にお手伝いさせていただきます。