2026年06月03日
大切に使われる建物の、その先へ
―リハビリ体育館「ライラック」の一年検査
建物が完成することは、決して終わりではありません。
そこから始まる日々の中で、建物がどのように使われ、どのように人を支えているのか。
私たち設計者にとって、一年検査はその答えを確かめる大切な機会です。
先日、当社が設計・監理を担当し、昨年春に竣工した岩屋病院のリハビリ体育館「ライラック」の一年検査を実施しました。
施設を訪れてまず感じたのは、建物がとても丁寧に使われていることでした。
「ライラック」は、患者さまのリハビリテーションの場であると同時に、職員の皆さまの福利厚生施設としても活用されています。日々多くの方が利用されているにもかかわらず、建物の内外は驚くほど美しく保たれており、まるで竣工直後のような清々しさが感じられました。
それは、建物を大切に思いながら使ってくださっている皆さまのお気持ちの表れなのだと思います。
一年検査では、建主様にお立ち会いいただきながら、実際の使い勝手や気になる点についてお話を伺い、建物や設備の状態を確認していきます。
「ライラック」では、空調方式として床輻射式空調を採用しています。
床面から穏やかに伝わる冷暖房によって、空間全体をやさしく包み込むこの方式は、快適性と省エネルギー性の両立を目指して計画したものです。
設備機器は、実際に一年を通して使っていただくことで、その建物に合った最適な運用方法が見えてきます。
今回、建主様からは
「とても快適に使えています」
「電気代も思っていた以上に抑えられています」
といううれしいお言葉をいただきました。
設計段階で思い描いていた性能が、実際の暮らしや運営の中でしっかりと発揮されていることを確認できたことは、私たちにとって何よりの喜びです。
検査は建主様、施工会社、そして当社が立ち会いのもと実施し、大きな不具合もなく、施設が当初の目的に沿って有効に活用されていることを確認しました。
建物は完成した瞬間が最も価値の高い状態なのではなく、使い続けられる年月の中で、その価値が育まれていくものだと思います。
これからも「ライラック」が多くの方の健康づくりや交流の場として親しまれ、地域に愛される施設であり続けることを願っています。
私たちも引き続き建物の状態を見守りながら、安心して長くご利用いただけるようサポートを続けてまいります。