1期から2期へ。静かに進む後半戦
2013年6月、新C棟の1期部分が使用開始となり、
それと並行して、旧C棟・RI棟の解体が進められました。
現在は、その跡地に、
新棟の後半となる2期工事が進んでいます。
・高層棟:8階まで躯体施工完了(残り9階)
・低層棟:3階まで躯体完了
目に見えるかたちとしても、
建物は着実に完成へと近づいています。


あえて“つながない”という選択
今回の計画の特徴は、
建物を2期に分けて建設し、
最終的に一体化する「合築」という手法にあります。
現在はあえて、
建物同士の一部をつながない状態で工事を進めています。
それは、
・医療機能を止めずに工事を続けるため
・施工時の安全性を確保するため
・全体の工程を無理なく整えるため
どれも、現場にとって大切な判断です。
一見遠回りに見える方法の中に、
やさしく医療を支える工夫があります。
2ヶ月で“ひとつ”にするという精度
10月から11月にかけての約2ヶ月で、
未施工部分を仕上げ、建物を一体化していきます。
ここで求められるのは、ミリ単位の精度です。
・既存側の鉄筋の位置
・コンクリートの打ち継ぎ部分
・構造としての連続性
すべてがぴたりと重なって、
はじめてひとつの建物として成立します。
わずかな違いも許されない、
けれど表には現れにくい、繊細な工程です。
別々につくられたものを、違和感なくひとつにする——
そこに、この工事の難しさと美しさがあります。

こうした合築工事は、
現場だけで完結するものではありません。
・構造の考え方
・施工の手順
・許容できる精度の範囲
・工程の組み立て方
これらはすべて、設計段階から丁寧に整えられています。
つまり、この工程の成否は、
図面を描く段階からすでに始まっているとも言えます。
見えないところでの準備が、
現場の確かな安心へとつながっていきます。
ヘリポートに降り立つ“いのちをつなぐ確認”
8月には、屋上のヘリポートに
浜松市消防局の防災ヘリ「はまかぜ」が着陸しました。
これは単なる確認ではなく、
実際の運用を想定した大切な検証です。
・着陸時の安全性
・風の影響
・院内動線とのつながり
図面の中で描いた計画が、
現実の中でしっかり機能するかどうかを確かめていきます。
そこには、「もしも」のときに備える、静かな責任があります。
このプロジェクトを通して見えてくるのは、
「建物をつくること」そのものよりも、
「医療を止めないために、どう建てるか」という視点です。
合築という難しい手法も、
そのために選ばれたひとつの答えです。
見た目には分かりにくい工程の中に、
医療を支えるための工夫が、確かに息づいています。
建物を分けて建て、あとからひとつにする。
一見すると遠回りにも感じられるこの方法は、
医療を止めないための、やさしい選択でもあります。
そしてそれを実現するためには、
設計・施工・現場、すべての丁寧な積み重ねが欠かせません。
私たちはこれからも、
どのような条件の中でも、安心して使い続けられる建築を目指し、
一つひとつの工程に向き合っていきます。
医療施設の建替えや増築をご検討の際は、
どうぞお気軽にご相談ください。
状況に寄り添いながら、
最適なかたちをご一緒に考えてまいります。