2013年04月12日
8st 見えない不安を残さないために
ー聖隷浜松病院 事務所検査の現場
建物は、完成した瞬間が終わりではありません。
本当に大切なのは、
そこが「安心して使える場所になっているか」を、
ひとつひとつ確かめることです。
今回ご紹介するのは、
聖隷浜松病院の新棟で行われた設計事務所検査の様子です。
設計者として、どこまで見届けるのか。
どこに責任を持つのか。
その現場での向き合い方をお伝えします。
設計事務所検査とは何か
本工事では、竣工に先立ち、
設計事務所による検査が行われました。
これは、
・設計図通りに施工されているか
・品質に問題がないか
・実際の使用に支障がないか
を最終的に確認する、大切な工程です。
いわば、
設計者としての責任を、かたちとして確かめる場でもあります。

MFICUという特別な空間
今回の検査対象のひとつが、
MFICU(母体胎児集中治療室)です。
ここは、母体と胎児の両方を守るための、
高度で繊細な医療空間です。
一般の病室とは異なり、
・医療機器の配置
・スタッフの動きやすさ
・空調や清浄度の管理
・緊急時の迅速な対応性
など、細やかな配慮と高い精度が求められます。
ひとつの判断が、そのまま安心につながる場所です。
図面通りで終わらせないチェック
検査では、図面との整合性だけでなく、
実際に使われる場面を想像しながら確認を行います。
・機器は無理なく使える位置にあるか
・動線に負担や迷いはないか
・日常の運用に支障はないか
設計段階では見えにくかったことも、
現場に立つことで初めて気づくことがあります。
その小さな違和感を見過ごさず、
一つひとつ丁寧に整えていきます。.jpg)
ヘリポート
「じっくり見る」ということ
検査は、短時間で終えるものではありません。
現場では、時間をかけながら、
細部まで目を配り、確認を重ねていきます。
・気になる点に立ち止まること
・違和感をそのままにしないこと
・最後まで丁寧に向き合うこと
その積み重ねが、建物の完成度を静かに引き上げていきます。

検査は“安心を届ける工程”
設計事務所検査は、単なる確認作業ではありません。
それは、
この場所を使う方に、安心して引き渡すための工程です。
目に見えない不安を残さないこと。
そのために、最後まで向き合い続けること。
それが、設計者としての大切な責任だと考えています。
建物は、完成してからが本当のスタートです。
だからこそ、引き渡し前の検査には、
最後まで誠実に向き合う必要があります。
私たちは、図面を描くだけでなく、
現場での最終確認まで責任を持つことで、
安心して使っていただける建築を目指しています。
医療施設の新築や改修をご検討の際は、
どうぞお気軽にご相談ください。
一つひとつの不安に寄り添いながら、
安心へとつながるかたちをご一緒に考えてまいります。