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株式会社公共設計創業50年の実績 医療・福祉・教育・文化・商業施設の建築設計(浜松)

NEWS

2012年02月22日

5st 見えない精度が、命を守る

ー聖隷浜松病院 免震装置設置工事

地震が起きたとき、
建物の中では何が起きているのでしょうか。

その振る舞いを大きく左右するのが、
「免震構造」です。

今回ご紹介するのは、
聖隷浜松病院の新棟に設置された免震装置です。

完成すれば見えなくなるこの部分に、
どれだけ丁寧な配慮と手間が重ねられているのか。

その裏側にある考え方を、少しだけお伝えします。



全景

マットスラブ完了、免震装置の設置へ

第4期増築工事では、
新棟1期部分のマットスラブが無事に完了し、

いよいよ免震装置の設置が行われました。

この工程は、
建物の安全性能を大きく左右する、大切な節目です。

見えない場所ではありますが、
建物全体の安心を支える、静かな要となる部分です。

4種類の免震支承を使い分ける理由

今回の計画では、構造計算に基づき、
4種類の免震支承を使い分けています。

・天然ゴム系積層ゴム支承
・錫プラグ入り積層ゴム支承
・弾性すべり支承
・直動転がり支承

それぞれの特性を活かしながら、
建物の揺れ方や荷重条件に応じて、最適な配置を検討しています。

ひとつの方法に頼るのではなく、
複数の技術を丁寧に組み合わせることで、
より確かな安全性をかたちにしています。



天然ゴム系積層ゴム支承
注記)錫プラグ入り積層ゴム支承はこの中心に錫でできたプラグが入っています。

見えない部分に求められる“ミリ単位の精度”

免震装置は、設置して終わりではありません。

その性能をしっかりと発揮させるためには、
下部のコンクリートが隙間なく充填されていることが前提となります。

わずかな空隙であっても、
長い時間の中で、性能や耐久性に影響を及ぼす可能性があります。

だからこそ、
目に見えない部分にこそ、繊細な精度が求められます。




弾性すべり支承
注記)すでに上部PC躯体が設置してあります。
本体は、隙間部分に設置してあります。


充填率99%を実現するための試行錯誤

今回の現場では、コンクリート充填の品質を高めるために、
施工前にモックアップを5回重ねています。

・施工方法の確認
・打設手順の調整
・コンクリートの流動性の検証

こうした試行を丁寧に繰り返し、
最終的には充填率99%以上を実現しました。

設計基準である95%を大きく上回る精度です。

この結果は、単なる数値以上に、
現場に関わる一人ひとりの責任感と、
より良いものをつくろうとする姿勢の表れだと感じています。



※コンクリートの打設時の施工方法を微調整し、改善していき、
ほぼ100%に近いところまで充填できる方法と手順を確立しました。
ここまでいくと、職人の意地ですね


技術だけではなく「人」がつくる品質

どれほど優れた設計であっても、
それをかたちにするのは現場の力です。

図面通りに施工するだけでなく、
より確実に、より丁寧に仕上げるために、
現場で考え、工夫し、改善を重ねていく。

その積み重ねが、
建物全体の品質を静かに引き上げていきます。

医療施設に求められる安心は、
こうした人の手によって支えられています。




上部躯体工事へ。次の段階へ

現場にはタワークレーンが設置され、
いよいよ上部躯体工事へと進んでいきます。

これまで地下で積み重ねてきた品質が、
これから建物全体へとつながっていきます。

一つひとつの工程が、
確かな安心へと結びついていきます。


免震構造は、
単に装置があるだけでは、その役割を果たすことはできません。

その性能を確実に引き出すための、
精度、施工、そして管理。

そのすべてが揃って、
はじめて安心できる建物となります。

私たちは、こうした見えない部分にも丁寧に向き合い、
医療の現場を支える建築をつくり続けています。

安全性や構造についてご不安なことがありましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。

状況に寄り添いながら、
最適なかたちをご一緒に考えてまいります。

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