2019年11月16日
病院建築のすべてがわかる
ー聖隷横浜病院 新外来棟プロジェクト
聖隷横浜病院 新外来棟
工事プロジェクト
起工式から完成まで。
長い時間をかけて積み重ねてきた、聖隷横浜病院 新外来棟プロジェクトの歩みをまとめました。
見えない工程にも丁寧に向き合いながら、地域を支える建築が少しずつ形になっていく過程をご紹介します。
病院建築の時間を、ひとつの流れとして伝えます
病院建築は、ただ建物をつくるだけの仕事ではありません。
医療機能を守りながら、地域への配慮を重ね、長い工期の中でひとつずつ課題を乗り越えていくプロジェクトです。
聖隷横浜病院 新外来棟では、特殊な敷地条件や既存病院を活かしながらの増築、免震構造への対応など、難しい条件が重なりました。
その中でも、設計・施工・病院関係者・地域の皆さまと力を合わせ、丁寧に工事を進めてきました。
工事報告アーカイブ
病院建築はどう始まる?
新外来棟の起工式
聖隷横浜病院 新外来棟建築工事の起工式が執り行われました。
前日までの雨と強風が嘘のように、当日は雲ひとつない穏やかな空でした。
関係施設や近隣自治会の方々にもご出席いただき、この建物に寄せられる期待の大きさを改めて感じる時間となりました。
工事の安全と無事の完成を願い、ここから長いプロジェクトが静かに動き始めます。
見えない準備が、安心をつくる
工事が始まり、現在は既存建物の解体と準備工事が進んでいます。
完成までは約3年。すぐに建物が見えてくるわけではありませんが、この静かな時間が大切な土台になります。
病院建築では、解体だけでなく、使いながら進めるための周到な段取りが必要です。
一つひとつの準備が、その後のすべての工程を支えていきます。
使いながら進めるための仮設計画
仮設駐車場の運用を開始し、立体駐車場脇のスロープ土工事も始まりました。
仮設の駐車場やロータリー、既存解体、その前段階となる改修工事など、本体工事に入る前の準備が続いています。
病院は、工事中でも日々利用される場所です。
だからこそ、工事を進めることと、いつも通り使えることの両立が欠かせません。
高低差のある敷地と向き合う掘削工事
横浜市保土ヶ谷の現場では、病院駐車場の掘削工事を開始しました。
前面道路は敷地より約5m高く、道路境界近くまで掘削を行うため、鉄骨で土留め壁を支持しながら慎重に進めています。
この後には、本設となるコンクリート擁壁を構築していきます。
地面と向き合うこの工程は、見えないようでいて建物の安心を大きく支える大切な仕事です。
なぜ病院建築は時間がかかるのか
工事が始まって2年、新外来棟の工事開始から1年。
建物最下層である免震層までの掘削が、ようやく完了しました。
免震建築は、上部構造が立ち上がるまでに時間がかかります。
今回は高めの既存地盤から掘り進めたこともあり、さらに慎重な工程が必要でした。
目に見える変化はゆっくりでも、その時間は建物の安全性を高めるために欠かせないものです。
完成まで残り1年余り。ここから建物の姿が少しずつ見えてきます。
建物が姿を現し、いよいよ引き渡しへ
4月24日には定礎式が執り行われ、着工から3年を経て本体の引き渡しへ向けた最後の段階に入りました。
新外来棟もようやくその外観を現しはじめ、長い時間をかけて積み重ねてきた工程が目に見える形になってきました。
病院関係者の皆さま、難工事の中で事故なく工事を進めてくださった施工者の方々、そして地域住民と利用者の皆さまに、改めて感謝の思いを抱く節目です。
6月の引き渡しに向け、最後まで気を緩めず丁寧に整えていきます。
長い時間の先にあるもの
9月30日、聖隷横浜病院 新外来棟建築工事が完了しました。
工期は3年7ヶ月。最初の企画設計図の日付は2008年5月で、計画から数えると11年4ヶ月にわたる関わりでした。
特殊な敷地条件に加え、既存病院を活かしながらの増築という難しさ。
大幅な変更、予期せぬ工期延長、行政との調整、未体験のトラブルなど、現場の数箇所分に匹敵するような経験が重なりました。
それでも、ここまでたどり着けたことに感謝しています。
なお、来年3月まで既存改修工事が続き、横浜病院の建築工事はそこでひとつの区切りを迎える予定です。
病院建築の計画を、初期段階から丁寧に整理します
病院の建て替え、増築、運用しながらの改修、特殊な敷地条件への対応。
医療施設には、一般建築とは異なる難しさがあります。
私たちは、設計だけでなく、工事中の運用や地域との関係まで見据えながら、安心して進められる計画づくりをお手伝いしています。