2011年02月04日
高齢者福祉施設の完成前検査
ー引き渡し前に設計事務所が確認すること
建物が完成に近づくこの時期は、
どこか少し、特別な空気が流れています。
仕上がっていく安心感と、
最後まで気を抜けない緊張感。
その両方を感じながら、
私たちは現場に立っています。
神奈川県藤沢市で進んでいる
高齢者福祉施設も、いよいよ完成間近となりました。
その前に行うのが、
設計事務所による最終確認です。
目に見える部分だけでなく、
これからここで過ごす方の毎日を思い浮かべながら、
一つひとつ、丁寧に見ていきます。
完成を前に、設計事務所による検査を行いました
この施設では現在、
引き渡しに向けてさまざまな検査が進められています。
その中で私たちが担当するのは、
設計者としての視点から行う最終確認です。
図面どおりに仕上がっているか。
使う方にとって無理のない空間になっているか。
設計の意図がきちんと形になっているかを、
静かに、丁寧に確かめていきます。
規模が大きいからこそ、時間をかけて確認します
今回の施設は規模が大きく、
確認する内容もとても多くなります。
そのため、検査は4日間に分けて行いました。
一度にすべてを見るのではなく、
エリアごとに時間をかけて確認することで、
小さな気づきも見逃さないようにしています。
日々の暮らしの中では、
ほんの少しの違和感が大きな負担になることがあります。
だからこそ、
この段階での確認を大切にしています。
介護棟での確認。日常を思い浮かべながら
この日は、介護棟の検査を行いました。
建具の開け閉めはスムーズか。
手を添えたときに違和感はないか。
職員の方が動きやすいか。
利用される方にとって安心できるか。
一つひとつの動作を確かめながら、
実際の場面を想像して見ていきます。
図面では見えなかったことが、
現場に立つことで見えてくることも少なくありません。
だからこそ、この時間はとても大切です。
「大丈夫」と言える状態でお引き渡しするために
検査では、
多くの項目を一つずつ確認していきます。
仕上がりに問題はないか。
安全に使える状態になっているか。
そして、
安心してお引き渡しできるかどうか。
必要な調整を行いながら、
少しずつ整えていきます。
建物は、大きな形だけでなく、
細かな部分の積み重ねでできています。
その一つひとつを丁寧に整えることで、
はじめて安心して使える場所になります。
完成が近づく現場には、
静かな緊張と、あたたかな期待があります。
ここで過ごす方の時間が、
穏やかで、安心できるものであるように。
その思いを込めて、
私たちは最後の確認を行っています。
建物は完成して終わりではなく、
そこから人の暮らしが始まります。
だからこそ、
その一歩目を大切にしたいと考えています。
これからも、
使う方の目線に立ちながら、
やさしく、確かな建築をつくっていきます。