2024年02月03日
春野協働センター
ー地産地消と環境配慮の実践事例
春野は、天竜美林として知られる
豊かな森林資源を持つ地域です。
この建物では、杉や桧といった地元材を
建物全体にわたって使用しました。
単に「木を使う」のではなく、
風景や文化の中に自然に溶け込むことを重視しています。
その結果、
静岡県都市景観賞・優秀賞を受賞しました。
公共建築において重要なのは、
“単体としての美しさ”ではなく、
地域の中での存在の仕方です。

コストと品質を両立する木構造の工夫
地元材を活かしたい。
しかし、コストや施工性も無視できません。
そこで採用したのが、
一般流通材を組み合わせる構造です。
柱は4本を一体化させ、
必要な強度を確保しています。
この手法により、
・材料コストの最適化
・安定した調達
・施工の効率化
を同時に実現しました。
さらに、無垢材による在来工法を採用し、
大工の手仕事が感じられる空間としています。


環境性能は「素材+仕組み」で考える
木材はそれ自体が、
優れた環境性能を持っています。
調湿性・断熱性・やわらかさ・香り。
これらが、
人にやさしい室内環境をつくります。
さらに本施設では、
空気集熱式ソーラー除湿涼房システムを導入しました。
自然エネルギーを活かしながら、
安定した室内環境を保つ仕組みです。
環境配慮は、
設備だけに頼るものではありません。
素材と仕組みを組み合わせることで、
はじめて持続可能な建築になります。
高齢地域を支える「防災拠点」として
春野地域は高齢化が進み、
災害時の孤立リスクも高いエリアです。
だからこそ、
この建物には“守る力”が必要でした。
採用したのは免震構造です。
地震の揺れを建物に伝えにくくすることで、
・建物の損傷を抑える
・家具の転倒を防ぐ
・避難拠点として機能を維持する
といった効果が期待できます。
また、構造的な自由度が高まるため、
開放的で使いやすい空間も確保できます。
地産地消という設計の考え方
「地産地消」は建築にも必要な視点です。
その土地の材料を、
その土地で使う。
この考え方には、
・気候への適応
・維持管理のしやすさ
・地域経済への貢献
といった多くのメリットがあります。
本施設は、
再現性のあるモデルとして評価され、
多くの視察が訪れています。
この建築が目指したのは、
“地域とともに生きる建物”です。
日常に寄り添い、
非常時には支えとなる。
そのために、
地元の木を使うこと
自然の力を取り入れること
災害に備えること
を一つひとつ丁寧に積み重ねました。
公共施設は、単なる箱ではありません。
地域の未来を支える、
大切な基盤です。
この建物は、
地域とともに呼吸するような存在でありたいと願っています。
私たちは、
地域ごとの条件を丁寧に読み解きながら、
長く使われる建築をご提案しています。
初期段階のご相談でも構いません。
どうぞお気軽にお問い合わせください。