2025年10月25日
建築に“意味”を与えるウォールアート設計
浜松学院興誠高校体育館の空間デザイン事例
建築は「完成した瞬間」がゴールではありません。
人が使い、感じ、記憶に残ることで、はじめて価値が生まれます。
今回ご紹介するのは、浜松学院興誠中学校・高等学校体育館における
ウォールアートとサイン計画です。
竣工後に加えられたこれらの要素が、
空間にどのような“意味”と“体験”を与えたのか。
設計段階から意図して仕込んだ
「建築と一体となるアート設計」の考え方をご紹介します。
建築を“完成させる”最後のピースはアートだった
本計画では、体育館の竣工後に
ウォールアートとピクトサインの設置を行いました。
建築としては既に完成している状態。
しかし、どこか“余白”を感じる空間でもありました。
その余白に対して、
「意味」と「物語」を与える設計として
アートとサインを位置づけています。
地域との関係性を可視化するウォールアート
一つ目のウォールアートは、
学校周辺の地図をモチーフとしたデザインです。
学園が掲げる
「地域を共に創る」という理念をもとに、
- 学校を中心に広がる地域構造
- 社会とのつながり
- 自分の立ち位置
を、視覚的に表現しています。
学生にとって、
日常的に意識することの少ない「地域との関係性」。
それを“自然に感じ取れる仕掛け”として、
空間に組み込んでいます。
高揚感を生むシルエットアートと導線演出
二つ目は、競技をモチーフとしたシルエットアートです。
エントランスからアリーナへ向かう動線に配置し、
空間の“切り替え”を演出しています。
- 静から動へ
- 日常から非日常へ
- 観る側からプレーヤーへ
扉をくぐる瞬間の心理変化をデザインすることで、
利用者の体験価値を高めています。
サインは「機能」と「デザイン」の両立が鍵
ピクトサインは単なる案内ではありません。
本計画では、
- 一目で理解できる視認性
- 建築との調和
- 空間全体の統一感
を重視して設計しています。
サインが浮いてしまうと、空間の質は一気に下がります。
逆に、建築と一体化すると“完成度”が大きく引き上がります。
設計段階から仕込む「アート計画」の重要性
今回のポイントは、
アートやサインを“後付け”にしていないことです。
- 設計段階から配置を想定
- 図面に織り込み
- クライアントと方向性を共有
このプロセスにより、
建築とアートが一体化した空間を実現しています。
なお、図案は
西山病院のホスピタルアートも手がけた「じゃのみち」によるものです。
専門家との協働も、
空間価値を高める重要な要素です。
新築はもちろん、
既存施設の価値向上(リニューアル・増築)にも対応可能です。
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アートが加わった瞬間、空間は“動き出す”
設置が完了したとき、
それまで静かだった空間に“表情”が生まれました。
竣工写真で見る整った空間とは異なる、
人の気配を感じる空間へと変化しています。
建築はハード。
アートはソフト。
この両者が重なったとき、
空間は初めて“生きる”のだと実感しました。
建築の価値は、
単なる機能やデザインだけでは決まりません。
- 利用者にどんな体験を与えるか
- 空間にどんな意味を持たせるか
- 記憶に残る場所になるか
そこまで設計することが重要です。
当社では、建築設計だけでなく、
アート・サイン・ブランディングまで一体で提案しています。